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新人行政書士の実務入門-補助金申請の実務

事業者に対しては国や地方自治体から多くの「補助金」による支援がなされています。しかし、多くの補助金は、申請が煩雑であり、準備段階で挫折してしまう事業者も多いと聞きます。

私たち行政書士は、そのような手続を代理で行うことのできる「プロ」として、本当に困っている事業者のサポートをすることができます。

この記事では、補助金業務に携わることのメリットや、業務のポイントとなる情報収集の方法について紹介します。

補助金申請業務に携わるメリット

①多くの経営者にとって常にニーズがある

補助金は、融資と異なり返済する必要がありません。リスクがありませんから「もらえるものならもらっておきたい」もの。

補助金による支援は、多くの事業が対象となっていますので、提案できるお客様の幅は大きいものと言えます。

②とにかく面倒な申請手続きを「プロ」としてサポートできる

行政書士は官公署などが公表する最新情報をベースとして申請業務を行っています。その最新情報のなかには、補助金申請に係るものもあります。情報収集することに慣れていれば、あたらしい補助金申請の情報収集もお手の者でしょう。

また、補助金申請には、補助金ごとに分厚い手引きがありますが、例えば建設業や宅建業にかかる諸申請の手引き等に普段から触れている行政書士であれば、抵抗も少なくなるのかもしれません。いくつもの手引きを見ていると、緩急をつけて読むことができるようになります。

③申請業務に携わる行政書士がまだまだ多くはない

補助金申請を業務としている行政書士は、そこまで多くはありません。補助金自体、次々と新しく登場しますので、それに関する申請業務も比較的新規参入ができる分野といえます。

補助金の基礎知識・情報収集

補助金は、主に経済産業省が管轄です。財源は税金。厳密な審査があり、獲得は難しいものが多いです。私たち行政書士のほか、税理士や中小企業診断士等、色々な士業が携わります。

一方、助成金は、主に厚生労働省が管轄です。財源は雇用保険。補助金と比較すれば容易で、管轄が要件さえ満たせばほぼ獲得できます。なお、社会保険労務士の業務と法定されているため、行政書士が携わることはできないので注意が必要です。ただし、助成金という名称のものでも、実態が「補助金」である場合には、行政書士が携わることができます(東京都中小企業振興公社の「助成金」)。

情報収集で欠かせないのが、中小企業庁(経済産業省の外局)のホームページのチェックです。可能であれば毎日行うことが望ましいです。

また、他の官公署のホームページも定期的にチェックすることが、さらに多くのニーズを拾うカギとなります。足りない情報については、メールマガジンなどを購読して補完しましょう。

業務の流れ

お客様が補助金の種類を確定できていない場合には、相談の内容に合致した補助金制度自体が実際にあるのかどうか、調査をする必要があります。

利用できそうな制度が確定できたら「募集要項」(申請の手引き)を確認し、申請者(お客様)が、申請する要件を満たしているかを検討します。

申請ができると分かれば、必要な書類を収集しつつ、補助金によっては「事業計画書」等を作成していきます。先ほどの「募集要項」が、申請者に何を求めているのか、どのような事業に対して補助金を交付したいと考えているのか、読み解きながらストーリーを描いていきましょう。

報酬について

「完全報酬型」の方が、依頼者にとってはリスクがありませんから、依頼自体はされやすくなると思われます。ただし、多くの時間をかけて申請をしたにもかかわらず、採択率が仮に一桁パーセントの高難易度の申請だった場合に完全報酬型にするのは、薄利多売になっていないかどうか十分検討しなければなりません。

もちろん、補助金申請業を始めたばかりの場合には「前受金」を受領することも、なかなか気が進まない方もいるのではないでしょうか。実務経験を重ねて、自分の知識に自信を持てる段階に至って、はじめて前受金を堂々と受領することができるようになるのかもしれません。事務所でのルールをしっかりと決めておきましょう

まとめ

補助金の財源は税金なので、やはり審査は厳しくなります。しかし、費用を払ってでもいいから補助金の申請をサポートしてほしいという相談は結構あります。それだけ事業者にとっては魅力的なのです。

このコロナ禍の時代、多くの事業者が経営難に陥っています。それを抜け出すためのきっかけとして必要な「補助金」の申請について携われることは、大きな責任が伴うものですが、成功した時の寄与度・達成感は莫大なものになるでしょう。

少しでも興味がありましたら、ぜひ、まずは情報収集からはじめていただければと思います。

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